◆年齢計算・富森編


さて、富森艦長はいくつでしょう?
かなり年配に見えますね。
また、年配であって欲しいですね。
だって大石さんより年下の富森さん、とか、前原さんとじつは同い年の富森さん、なんて許せます?
大石さんや前原さんにはなんとか若くならないかとやかんは四苦八苦したわけですが、富森さんには爺でいて欲しい……勝手やな(笑)

富森さんは戦艦の艦長です。
いわゆる軍艦、巡洋艦以上の大型艦の艦長には大佐があてられます。
大佐一年目で軍艦艦長になれるのは、航海学校・水雷学校の出身者だけです。
航海学校出身者は中型艦・大型艦の航海長をすでに勤めていて、操艦はお手のもの。
水雷学校出身者も水雷艇・駆逐艦の艦長経験を十分積んでいて、不安はありません。
そんな「航海マーク」「水雷屋」の彼らでも、大佐一年目には巡洋艦の艦長にまずなります。
いきなり戦艦や航空母艦の艦長にはなれません。
戦艦艦長にはそれ相応に大佐五年目、六年目の古参大佐をあてるのが普通でした。
……つまり富森さんは照和20年、日本武尊艦長に就いたとき、大佐五年目か六年目であった……ということですね。
さて、普通大佐になるには少尉になってから二十年以上の年月を要します。
富森さんは照和20年の時点で45歳以上、であります。

大石さんは照和20年当時48歳。
はなはだ勝手ながら、やかんの脳内ではそう設定しております(詳しくはやかん年表をご覧下さい)
やかんの希望……富森さんは大石さんより年上。
じゃ、富森さんは大石さんより10歳年上ってことで、58歳ね☆
……てなわけにはイカンのです。
そんなお年じゃ、とっくに定年で退職しています。
50歳を過ぎると予備役の匂いがそろそろしてきますからね……48歳の大石さんとあまり大きく年を離すのは無理があります。

兵学校を出た士官でも、中佐から大佐になるのはけっこう大変でありました。
大尉、少佐あたりまでは同期生が横並びで昇進していきます。
中佐四年目を過ぎますと、成績のいいものから大佐に抜擢されていきます。
海軍さんの進級発令は毎年十一月か十二月の一度きり。
第一次から第五次まで毎年大佐選抜はありました。
選抜されなかったら……名前だけ一応大佐になって待命、予備役編入で現役さようなら、であります。
そして大佐になっても毎年その中から予備役に編入されていく大佐が出てきます。
そして大佐六年目を無事現役で過ごせた大佐だけが次の年めでたく少将に昇進できるのでありました……。

さて照和20年大佐五年目の富森さん。
第一次選抜で大佐になったとしたら、46歳(18歳で兵学校に入校したとして)
第五次選抜のみそっかすだったら、50歳。
この第五次選抜組だともう少将までは辿り着けなかったそうであります……。
他の学校を中退して兵学校を受験したとか、途中病気やケガで昇進が遅れたとか、富森さんを老けさせることは容易です。
定年に引っかからない程度なら、ですが。
富森さんの兵学校入校を二年遅らせて、第三次選抜の大佐と仮定すると――
照和20年、大佐五年目の富森さんは50歳。
大石さんより二つ年上になります。

OVAのはじめの回や原作では「富森少将」の表記のある富森艦長。
でもOVAの画面の階級章を信じるならば、戦争中は大佐のまんまです。
それだと富森さんは十年間ずーっと大佐だったことになります。
旭日艦隊には特別昇進の大盤振舞いがあったのに、特進どころか通常昇進までストップしている富森さんがお気の毒です。
十年物の大佐も困りますが、大佐の定年は54歳。
54歳を過ぎると予備役大佐になり、現役大佐である木島さんの下級者になるので、富森さんは艦の指揮ができなくなります。
出撃時に少将になるか、途中で昇進してもらわないと軍令上由々しき事態になります。
ここはひとつ、脳内変換で富森さんを将官にしておくしかありますまい★